晴れたらいいね

no photo no life

又吉直樹 『劇場』

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又吉君は、おっと今は又吉先生ですか、変な奴だけどいい奴だなあと思ってました。彼の『火花』が雑誌に載った時読んだけど、あまり面白くなかった。途中で読むのをやめちゃった。そしたらあれよあれよという間に何百万と売れてしまった。つくづく自分にはセンス、感受性がないなあ思ったもんです。芸人という先入観があったのも否めないなあ。でもねえ、本は所詮個人の好みだからいくら売れたからと言って自分に合わないものは合わないと思ってます。ただ最近文庫本が出たんで読み返してもいいかな、とは思ってはいるんだけどね。

彼の第2作が注目されていて、NHKも生みの苦しみなんか盛り込んだ特番まで作っちゃって、期待が膨らむ一方でした。そして雑誌「新潮」の4月号に『劇場』が掲載されました。前回『火花』をけなしたこともあって、今回は素直な応援の気持でさっき書店で買ってきました。2軒書店を回りましたが、1冊しか残ってなかった。増刷の話を聞いていたんですが、早くも売り切れかな。

「まぶたは薄い皮膚でしかはずなのに、・・・・・・」

冒頭の文章です。相変わらず凝ってるね。作家というのはどうして簡単なことをああだこうだと粉飾したがるんでしょうね。松本清張の簡潔な文章に慣れているものにとって、まどっろこしい表現がなんともじれったい(笑)。純文学らしい香りがぷんぷん匂ってくる。

というわけで読み始めたばっかりでまだ感想はなし。前回は半信半疑で読み始めたけど、今回は落ち着いて、一語一語かみしめながら、行きつ戻りつ読んでます。
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  1. 2017/03/07(火) 14:23:36|
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灘本唯人さん

ホンアツのY堂では、ちらっと「今一番売れている本」のコーナーを眺め、いつも直行するのは美術関係の雑誌のコーナーです。

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おや、こんなMOOKを見つけちゃった。

「灘本唯人 にんげんもよう 」(玄光社MOOK 2016/8/23) です。う~ん知らないなあ、ナダモトさんて誰?

パラパラとめくってびっくり、あれっこのイラスト見たことあるぞ。独特の女性のイアラストは昔いろんな場面で目にしている。これを描いたのが灘本唯人(なだもとただひと)さんだったのか、全く知らなかった。1993年に紫綬褒章を受章している超有名人だった。惜しくも今年の7月に亡くなられています、90歳でした。

灘本さんのお人柄がイラストに反映していて、何かほっこりした気分にさせられます。う~んこの本欲しくなっちゃった・・・けど安くはないんだよね。ちょっと考えよう、すごすご。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そうだ図書館にあるかもしれない。

検索 → あった → 予約 → 受け取り


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(灘本唯人・人間模様 講談社 S57.3.20)


さすがだねえ、ホンアツの図書館は何でも揃っている。ただこの本少し古いんだよね。でも主要作品はMOOK版と変わらない。


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広告ポスターから書籍の装画、小説の挿絵、雑誌のイラストレーションなど、活躍した範囲は広い。女性のデフォルメしたイラストが特徴ですね。1970代~1980代の作品です。今となっては個人的には古さを感じちゃいますが、とっても興味深い作品の数々です。写真には載せてないですが、線画のセンスも抜群です。のんびり眺めさせてもらいます。これを見ればもう買わなくてもいいのかな(笑)。

美術の秋、来週にでも美術展に行こうかな。一応前売り券は持ってます。

OM-D E-M5、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8
  1. 2016/10/23(日) 14:07:52|
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8ヶ月かかって読んだ本

司馬遼太郎の『翔ぶが如く』をやっとこさ読み終わった。今年の頭から読み始め、田舎から帰ってくる特急「あずさ」の車中で読み切った。8ヶ月もかかってしまった。家では全く読まず、外出の電車の中だけで暇つぶしに読んでました。途中資料的な内容の部分はつまらないので読み飛ばしたけどね。

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20年くらい前に一度読んで、今回が2回目です。どなたかも言ってましたが、司馬作品を読むなら間違ってもこの作品から入らない方がいいよ。ともかく長編で読み切るのが大変、多くの人物が登場するんだけど、理解し覚えるのが大変だ。『竜馬がゆく』『功名が辻』『北斗の人』『坂の上の雲』などで味わえるストリーのワクワク感がなくて暗い。この本を一番最初に読んだらきっと司馬遼太郎作品が嫌いになっちゃうだろうな。でもねえ明治初期の日本の近代国家成立の歴史を勉強するにはとても役立つ本だと思います。物語というより資料本、司馬遼太郎が調べつくしたもの、と割り切って読む気持ちと忍耐が必要です。

西郷隆盛と大久保利通の二人を軸に、征韓論から西南戦争に突き進み、やがて薩摩軍が滅んでいく過程を描いています。新聞連載小説だということもあるのか、ともかく’くどい’。西郷隆盛、大久保利通等の性格から始まり、薩摩人、長州人の気質、風習などが繰り返し繰り返し書かれていて、げんなりしてしまう。もういいよ、分かっているから勘弁してよ。

薩摩軍、政府軍の両方において無能な上層部のため虫けらのように命を落としていった一兵卒の死が哀れだ。特に薩摩軍の実質的なトップの桐野利秋の戦略なき無能ぶりにはあきれかえってしまう。この桐野の無能ぶりを目の前にして何ら手を打つことをしなかった西郷こそ糾弾されるべきであろう。のうのうと上野のお山に鎮座してていいのかなあ。

山の様な資料で構築した西郷隆盛という人間だけど、自分的には最後までもやもや感が残った。何故西南戦争に担がれたのか、何故戦わなくてはならなかったのか、西郷の気持ちの核心がぼかされている。作者が西郷隆盛について雄弁に語れば語るほど、西郷本人に迫られなかった証明のように感じられてならない。人物的には西郷隆盛より怜悧な大久保利通の方が好きだ。暴漢に襲われ、志半ばで亡くなったのが残念でならない。

ついつい熱くなったけど、これは司馬遼太郎が膨大な資料から築き上げた壮大な歴史フィクションなんだよね。
  1. 2016/08/23(火) 06:40:39|
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安野光雅の本2

あれから安野光雅に魅せられて、たくさんの本を見ました。中でも特に気に入ったのはヨーロッパを旅して描いた風景画でした。

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上段 左:イギリスの村 1983 右:オランダの花 1988
下段 左:イタリアの丘 1980 右:ヨーロッパの街から村へ 1999

1970~1990代にアサヒグラフや週刊朝日に連載されたものをまとめたものです。

素敵な風景画ばっかりで選ぶのに迷いましたが、いくつか紹介します。

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<オランダの花> 左:ズンデルトのはずれの農家 右:セルトーヘンボスのヨットハーバー 

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<イギリスの村> 左:ヨークの海岸で 右:バースの近くの村

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<ヨーロッパの街から村へ> 左:マルセイユの入江 右:旧市街の食料品店

安野光雅が自分で車を運転し、ヨーロッパ中を駆け巡り、スケッチしたものです。絵と共にその土地でのエピソード、歴史の添え書きがあり、これがまた面白い。もちろんヨーロッパなんか行ったことはないけど、その土地の暮らしぶりや国民性を垣間見ることが出来ました。それにしても水彩画で描かれる田舎の風景がとても心にしみる。自分が風景写真を撮る時の参考になれば、という思いもありました。イタリアで40年近く昔の教え子の女性に偶然会ったエピソードもほほえましかった。

安野さんのような水彩画を描いてみたいと前々から思っているんだけど、なかなか先に進まない。

余談ですが、安野光雅の数学的センスが溢れる「算私語録」を読んでいてこんなのを発見。
1975年1月17日朝日新聞の夕刊に載った記事。ある男性が宝くじ40枚を買って2等1000万円が当たった。今でいえば数千万円になるのかな。同僚の間でやっかみやら冗談やら大変な騒ぎになった。本人は真剣に悩み、同僚間の人間関係の方が大切だと当たりくじを燃やしてしまった。実にもったいない話なんですが、この男性の住所を見て目を疑った。自分の田舎のご近所だった(驚)。
  1. 2016/03/09(水) 05:04:01|
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安野光雅の本

先日図書館で『別冊太陽 安野光雅の本』を見つけた。この別冊太陽はお気に入りの雑誌で必ず目を通してます。内容はもちろん、写真がいいし、紙質も良くて読みやすい。今回から隔月発売になってしまいちょっと残念。 他の雑誌と勘違いしてました。

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安野光雅(あんのみつまさ)という名前は全く知らなかったが、パラパラとめくった途端吸い込まれてしまった。長年生きてきたけど安野光雅さんのことは全く知らなかった。1926年30月20日生まれだからもうすぐ90歳になられるんですね。

絵本作家、画家、装幀家と多彩な方で、安野さんの年譜を拝見したけど、その膨大な仕事ぶりに圧倒されました。なんでこんなに有名な方を知らなかったんだろう。他の雑誌やネットで安野さんについていろいろ調べてみました。絵も素晴らしいけど文章もまたお上手だ。

膨大な数のお仕事の中で最初に興味を持ったのが『旅の絵本』シリーズでした。

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(左:中部ヨーロッパ編 右:イギリス編)

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(左:アメリカ編 右:スペイン編)

何冊か図書館から借りてきました。安野さん自身が海外旅行をされた体験をもとに描かれています。現代と中世が入り組んだような世界が展開されます。牧歌的な田舎の風景からやがて町に入り、賑やかな時間を過ごし、やがて次の国へと去っていく、全体的にこんなストリーで描かれています。

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こんな本は手元に置いておきたい・・・偶然ホンアツの書店にあったんで『旅の絵本』買っちゃいました。

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中をパラパラとつまんでみると・・・ひとりの旅人が見知らぬ土地(中部ヨーロッパ)に小舟で着いた。巨大な雄鹿がお出迎えだ。

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出会った村人に馬を借り、村から町の中心へ向かってゆっくりと進んでいく。丘を越え、川を渡り、緑鮮やかな牧草地を横に見ながら旅人は進む。村人の生活が生き生きと描かれ、学校の校庭では子供たちが楽しそうに遊んでいる。

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やがて一番賑やかな町の中心にやってきた。移動遊園地やサーカスもやっている。旅人はそんな町並みを悠然と眺めながら馬を進める。ページ毎独立しているわけでなく、道によってすべてのページがつながってます。

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楽しかったこの町ともお別れだ。農夫が奥さんと夕べの祈りをささげ、手を振る子供たちに見送られ、旅人は夕焼けの丘の向こうに去っていった。さて次はどんな町に現れるんだろう。とまあ作者の解説を参考にこんなストーリーを考えてみました。というのも、この本は文章がありません。よく見ると、描かれているひとりひとりに役割があって、だれひとり無駄というものがない。中に名画のパロディーらしきものが描かれているのでそれを見つけるのもお楽しみだ。

いい年したおじさんがメルヘンチックな絵本にはまりました。あと一冊、アメリカ編が手元に欲しいな。インディアンあり、幌馬車あり、メイフラワー号ありとユーモアに富んだ傑作だ。いつか孫のM君に読んであげたい魂胆だけど、どうかな。

絵本に飽きたら安野さんの文章も読んでみましょう。
  1. 2016/03/02(水) 17:43:03|
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