晴れたらいいね

no photo no life

倍返しの次は

7月からはまっていた池井戸潤の作品も結局「ロスジェネ~」のあと初期の作品で第44回江戸川乱歩賞受賞の
「果つる底なき」まで読んで一区切りです。

一連の手に汗握るギラギラとしたものにどっぷりつかっていたので少々疲れました。反動でこんな純愛ものが読みたくなった。

三浦哲郎の「忍ぶ川」(第44回芥川賞1960年)です。最近たまたま新聞の日曜版で見たのかな。昔映画、テレビ化された名作らしいけどほとんど知らない。


2013100703.jpg


例によって図書館で借りてきたら・・・黄ばんじゃって、中身もぼろぼろ(昭和40年5月発行)。読み始めたけど破れちゃあしないかと気が気でなく、読んだ気がしない。探してY隣堂に行ったらぽつんと一冊あった(ラッキー)ので即購入。


2013100704.jpg
(平成24年9月15日90刷)

三浦哲郎の作品は一冊も読んだことがない。タイトルの「忍ぶ川」、「初夜」「帰郷」「團欒」等全部で短編が7篇。

「忍ぶ川」は、兄妹は自殺、失踪した暗い血が流れている東北出身の「私」が、小料理屋の「忍ぶ川」につとめる哀しい宿命の娘志乃にめぐり会い、結婚するまでを描いた作品です。作者の自伝的小説だと思います。

しばらく半沢の金勘定にまつわる切った張ったの世界にどっぷり浸っていたんで、こんな純愛ものに久しぶりに感動した。何といっても志乃のけなげさに参ってしまった。「私」に対して従順で、素直で、可愛くて、それでいて頭の回転が早くてしっかり者の志乃。「私」でなくても惚れ込んでしまう。奥さんにするならこんな女性が理想かな。

いくつか印象に残るシーンがあったんですが、何といっても志乃の父親が亡くなるときの父親の言葉と志乃の流した涙には参った。

「忍ぶ川」「初夜」「帰郷」「團欒」と4篇まで読んだけど、「忍ぶ川」「初夜」以降はとりあえずパスして後日読んだのがいいかも。2作以降志乃さんが次第に平凡な主婦に変わっていくのが(子供が出来れば当然かもしれないけど)なんともいえず悲しい。最初の淡いイメージが壊れていってしまう(笑)。

世の中面白い本が尽きない。

余談ですが、同名の女性をひとり知ってます。高校の同級生で一緒に机を並べて勉強しました。出来の悪かった自分と違って才媛で、漢字の書き取りのテストなんかはしょっちゅう見せてもらってました。お世話になりました。どうしているんだろう。
スポンサーサイト
  1. 2013/10/07(月) 06:23:17|
  2. | コメント:0
<<お通夜 | ホーム | 山手本通りから元町裏通り>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する