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蜜蜂と遠雷

図書館に予約してから半年、ようやく「蜜蜂と遠雷」(恩田陸)を借りることが出来た。

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次の予約が多数入っているのでのんびり読んでいるわけにはいかない。ギリギリ読み切ったけど、途中端折ったところもありました。
この長編(上下2段組、507p)を期限の2週間で読み切るのはさすがに大変だった。


クラシック音楽に目覚めて十数年、主にピアを中心に聞いて来たのでこの本は特に興味が湧きました。もちろん直木賞、本屋大賞のダブル受賞作品というのも理由です。ここだけの話ですが、マルタ・アルゲリッチ(Maria Martha Argerich)のファンです。

作者は多少ピアノの経験があるということですが、ピアノコンテストの臨場感を圧倒的な文章力で表現するその力量に圧倒されました。数年かけて実際のコンテストを何回も見聞きし、練り上げた文章はまるで自分がコンテストに参加している錯覚にとらわれます。又ひとつひとつの楽曲に詳しいこと、ほんとよく聞きこんで勉強しているのが分かります。クラシック音楽をよく聞くといっても自分の場合ブログを更新しながら、ネットを見ながらの所詮ながら族で聴いているんで、作者のようにこれほどまでに音楽を理解し、分析、想像力を働かせることなんてないですね。あ~音楽ってこんな聴き方もあるんだ、とても勉強になりました。

それと中心人物4人のコンテスト出場者の予選で弾く楽曲に興味を持ちました(冒頭に記載されている)。恥ずかしながらほとんど知らない楽曲ばかりでした。ただ本選の課題曲が27あったんですが、その内15は持っているので(MD)少しはホッとしました。早速図書館に行って何枚か借りてきました。

ところで肝心のコンテストの最終結果ですが、大体予想がついていたのでそれほどワクワクすることもなく読み終わりました。その他出場者や審査員の男女関係の話もありましたが、それほど興味は湧かなかったですね。また出場者の生き方の葛藤なども丁寧に書かれていましたが、ちょっと大げさすぎるきらいはありました。その反面主人公らしき少年の人間性がいまいちはっきりせず、描き切れていない気がしました。とにかく本選まで同じような描写の繰り返し、長すぎて飽きるところは正直ありました。ただ本選に残った出場者が「いいなあ。ピアノっていいなあ。ショパンの1番、いいなあ。音楽って、ほんと、いいなあ。」と心から幸福感を覚えたこの気持ちが印象に残りました。

最後に結論ですが、評価としては★5のうちおまけの★4ですね。やっぱりいくら言葉で音楽を表現しても実際の音符ひとつにも敵わないと思います。最初のうちこそその表現力に圧倒されましたが、後半に行くにしたがってその言葉の羅列がかえって本物の音から遠ざかっていくように感じられました。読み終わった後無性に音(おと)が聞きたくなった。
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  1. 2017/08/24(木) 14:40:16|
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