『昭和史発掘』~松本清張
- 2018/05/10
- 08:18

GWの後天候に恵まれず、家でぐだぐだしております。
お陰で読書三昧の日々が続いていて、松本清張の「昭和史発掘」を読んでいます。正確には読み直しです。昭和40年から出版された文芸春秋社の単行本を何冊かもっていたんですが、どこかにいってしまった。誤って捨ててしまったのか??仕方がないので図書館から借りてきました。
ところでこの「昭和史発掘」は1964年7月6日号から1971年4月12日号まで文藝春秋の週刊誌「週刊文春」に連載されたノンフィクション作品です。今を時めく「週刊文春」だったことに思わずにやりです。
何と言ってもハイライトは2.26事件関連の(6)(7)ですね。清張は膨大な資料を読み解き、読み物に組み立て、事件を追っています。清張は同時期に平行して推理小説を書いているわけですから、その人間業とは思えない労力にただただ驚くばかりです。最初に断わっておきますが、これを読むには相当忍耐強さが必要です。なんせ当時の資料はカタカナ書きなんで読むのにひと苦労。正直所々は飛ばしてます。
青年将校の深く国家を憂う気持ちとは別に緻密さに欠けた計画、蜂起すればそれに呼応してあちこちで決起するはず、軍の上層部も理解をしてくれるはず、という甘い見通し。重大事にあたっての軍の上層部、大将クラスのあたふたぶりも滑稽だ。「マレーの虎」と言われた山下奉文の行動をバッサリ。’山下奉文は青年将校に阿っていた小心な男だった。あの巨軀や風貌などに世間はごまかされている・・中略・・・出世主義の機会主義者(オポチュニスト)である(本文)’襲撃に合った軍人、重臣たちの現場の描写は迫力があり、悲惨なものだ。いち家庭人として家族や周囲を思いやり凶弾に倒れた。
さてこの叛乱軍の結末は・・・。当然のことながら結果は知っているんだけど、さらにじっくり、忍耐強く(笑)読み進みます。
明日は久しぶりに撮影に行けるのかなあ。
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