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ジェームズ・ボンドから「KGBの男」へ

イギリスの俳優ショーン・コネリーさん(1930.8.25~2020.10.31)が亡くなられました。ショーン・コネリーといえば007シリーズのジェームズ・ボンドですね。お酒と女性とギャンブルが好きなかっこいい英国紳士を演じました。ボンドを卒業した後年は渋い演技で好演していますが、自分的にはどうしても「007」から離れられません。彼のあと何人かボンド役をやりましたがあまり関心がないですね。ただ現役のダニエル・クレイグはお気に入りです。

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(007 ジェームズ・ボンド公式DVDコレクション FROM RUSSIA WITH LOVE NO.2 私物)

彼が演じた007シリーズの中で「ロシアより愛をこめて」(1963年)が一番のお気に入りですね。ストリーよし、出演者よし、主題歌よし、と申し分ないです。ボンドガールのダニエラ・ビアンキも忘れられない美人女優でした。後で知ったんですが、強いイタリア訛りのため、結局彼女の声は他の女優により吹き替えられたそうです。その後彼女は1968年に女優業から引退しちゃいました。ところで彼が有名になる前に映画「史上最大の作戦」(1962年)に英国軍コマンド部隊所属の一等兵役で出ていたのをご存じですか。

ところでボンドが所属した英国の情報機関「MI6」の最大の敵はソ連の情報機関ですが、「KGBの男ー冷戦史上最大の二重スパイ」という本をたまたま読んでいたんです。図書館から借りてきました。

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(2020年6月10日初版発行 中央公論新社 ベン・マッキンタイアー 小林朋則訳)

ソ連のKGB中佐だったゴルジェフスキー(1938年~)は共産主義の現実に幻滅し、英国に寝返って二重スパイとなり、西側に貴重な情報をもたらした後、亡命を果たします。英国情報部(MI6)がKGB中枢に潜ませた冷戦史上最大のスパイだった。ゴルジェフスキー本人のインタビューとMI6の当事者たちの取材をもとに丁寧に、詳細に書かれています。現在ゴルジエフスキーは、イギリスで24時間体制の警護を受けながら、名前も身分も偽った二重生活を送っています。

とまあ概略こんな内容です。500ページの分厚い中身なんでまだ半分ぐらいしか読んでませんが、ハラハラドキドキ、手に汗握る展開の連続です。当時のMI6、MI5、KGB、CIA等々当時の各国のスパイ達の暗躍ぶり克明に書かれています。ゴルジェフスキーが英語を勉強のためフレデリック・フォーサイスの「ジャッカルの日」を読んでいたいう話には思わず笑っちゃいました。妻にも自分の正体を話せず、本国にいつ何時召還され尋問されるのか、恐怖の日々が続きます。この本を読むと今までのスパイ小説、映画が霞んでしまいます。それほど衝撃的な事実がこの本に書かれています。さて後半が楽しみです。はたして彼は無事英国に脱出できるのか、その手段とルートは計画通りいくのか。彼の情報で英国、米国がどのように政策を転換したのか、想像しただけでもわくわくしてきます。
ショーン・コネリーさんの訃報からわき道にそれました。ジェームズ・ボンドで大いに楽しませてくれました。ご冥福をお祈りいたします。最後にマット・モンローの「ロシアより愛をこめて」を聞きながらお別れします。

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コメント

sugipyさん

お若いsugipyさんと好みが違いますね。
後年のショーン・コネリーはもちろん素晴らしいですよ。
でもねえ、若い時に見た007は一生忘れることは
出来ないですね。
ショーン・コネリーの活躍以外に忘れてならないのは
主題歌ですね。初期には素晴らしい楽曲が揃ってました。

No title

akiさん、こんばんは。
自分にとってのショーン・コネリーは、「アンタッチャブル」のジミー・マローですかね。
渋い警察官役がとても印象に残っています。
90歳とのこと、ご冥福をお祈りします。

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aki=mikun(鉄道コム)
昔は自転車乗り、今はカメラ片手に神奈川、東京をぶらぶら。
小田急や東海道沿線で電車の写真を撮っています。